先日の夕方、診察時間が終わる頃に、自宅で農作業中に蜂に指を刺された男性が来院しました。受付に来られた時にはすでに血圧が下がっており、目がよく見えないと訴えられていました。自宅から10分くらいの距離を自分で車を運転して来たのですが、途中から目の前が真っ暗になって、辛うじて私たちの診療所にたどり着いたとのことでした。途中で交通事故を起こさなくて幸いでした。直ちに点滴とアドレナリンの投与を行い、無事回復しましたが、アナフィラキシーショックの恐ろしさを実感しました。
蜂毒によるアナフィラキシーは、刺されてから15分以内に起こり、全身の蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐、腹痛、下痢やめまいなどの症状が出ます。重症になると血圧低下を伴うショック状態となり、一刻を争う状況になります。実際に我が国では毎年30人程度が蜂毒によるアナフィラキシーにより死亡しているようです。
アナフィラキシーは他に食べ物や薬でも起こることもあります。アナフィラキシーの症状が出たら、とにかく助けを呼び、一刻も早く医療機関に向かうことが大切です。このような時こそためらわずに救急車を利用するべきです。