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2009年の日本人の平均寿命は女性が86.44歳、男性が79.59歳で、いずれも4年続けて過去最高を更新したことが先日公表されました。これによると2009年に生まれた赤ちゃんが七十五歳まで生きる割合は、男性71・9%、女性86・5%、九十五歳まで生きるのは男性8・2%、女性23・7%と試算されるということです。考えてみればこれは大変な数字です。特に女性は10人中9人近くが少なくとも75歳までは生きることになる訳です。「人間五十年。下天の内をくらぶれば夢幻のごとくなり。一度生を得て滅せぬ者のあるべきか。」幸若舞の謡「敦盛」の一節に謡われているように、寿命が50歳程度であった時代はすでに遠く、これからはそれからさらに25年、35年を生きることを考えねばなりません。

関節などの運動器の寿命は人間の場合、約50年と言われており、「敦盛」の頃の寿命とほぼ一致しています。従って、中高年になって膝の具合が悪くなったり腰が痛くなったりするのは、ある意味仕方のないことかもしれません。老化は避けて通れない宿命です。

皮膚もご存知のように老化します。若かりし頃、瑞々しく張りのあった肌は乾いて皺やシミが年を重ねる毎に増えてきます。しかし、このような皮膚の老化現象の多くは実は紫外線の影響を大きく受けていることが分かっています。これを「光老化」と言います。つまり、皮膚の老化は紫外線防御を徹底して行うことで、かなりの部分予防することが可能なのです。特に子供時代は屋外で過ごす時間が多く、一生で浴びる蓄積紫外線量の約半分は成人前に浴びるとも言われています。紫外線は皮膚の老化だけでなく、皮膚がんも引き起こします。また、眼に対する影響も大きく、白内障の原因としても重要です。したがって、小さい頃から紫外線対策を心がけることがこれからの長寿時代には益々大切になります。紫外線防御の具体的な方法については改めて書きます。